Nakayama Miyoko

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「ユメノナルキ」
Web Work(紙に水彩,クレヨン)
76x75cm


中山 美代子 展

2001.7.16(月)〜22(日)
(12:00〜20:00 最終日11:00〜15:00)


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「4月」
Web Work(紙に水彩,クレヨン)
34x24cm
【¥30,000】


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「日暮れ」
Web Work(紙に水彩,クレヨン)
34x24cm


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(会場風景)


<表と表の世界>

中山美代子は結城紬の会社で働きながら、イラストの仕事と「Web Work」*と彼
女が名付けた仕事を続けている。イラストでは「電車の乗り方 座り方」(小さ
な出版社2000年刊)の本を出し、JR東海のポスターなどに使われた。近々2冊目
の出版予定がある。今回の発表作品は「Web Work」を中心にしている。   

「日暮れ」の作品は、空に浮かんだ雲が夕日に輝いている風景をイメージして作
ったと中山美代子は言っている。                     
ところが私はその作品から受けた印象は、モネの「水蓮」に描かれた日本庭園の
「池」であった。「池」には陽光が満ち、水面や水蓮に反射しているが、水面下
には光が届いていない。セザンヌが褒め称えた彼の眼は、輝く光を捉えている。
彼女の描いた風景はモネの光の世界とは少し違っていた。それは水面や水蓮に光
が反射する世界と共に、風景の裏側にもう一つの輝く世界が見える。そこには闇
の空間が無い。中山美代子の作品は、輝く表と表の二つの世界を共有している。
それは雲の向こうとこちら側の光の合成なのだろうか。           

「Web Work」技法は、2枚の紙に互いにどのように重なるかを予想して絵を描 
き、それを細長くカットして、織物の縦糸、横糸の様にして編んでいく。別々に
描かれた2枚の絵が一つになると、絵は重なり半々の割合でしか表れない。編み
上げた後、彼女は一切手を加えないのは、その偶然性を大切にしているからであ
る。作品は筆で描いた中山美代子の表現したいものと、編まれた時に生じる予想
できなかった偶然の出会いとから生まれている。              
「日暮れ」:紙に水彩とクレヨン、2000年制作、32×24cm      
 *Web=蜘蛛の巣 (2001.5 T‐BOX 高橋盛夫)         


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