yusuke yamamura exhibition
山村祐介 展
サイハクビ
-彩薄美-
2004.6.28(月)〜7.4(日)
(12:00〜20:00)
(日曜 11:00〜15:00)
「五月の装い」
(キャンバスにアクリル・障子紙)
38x46cm
【¥28,000】
「福引キ観覧車」
(キャンバスにアクリル・障子紙)
28x23cm
【¥15,000】
「おぼろげ心象」
(キャンバスにアクリル・障子紙)
73x91cm
【¥35,000】
(会場風景)
(作者)
<山村祐介コメント>
描くことは日常生活の中でとても身近に感じる存在です。ほぼ毎日のように作品
と向かい会い、ひと筆でも何かしらの筆跡を残すように心掛けています。
具体的な何かを描くというよりかは制作する過程の中でその日その時感じる様々
な気持や感覚からふとした瞬間に出てくる色や線、形などを同じひとつの画面に
絵日記を綴っていくかのように日々の心情を眼に見える形として何層にも重ねて
表現しています。その見え隠れする色、形からまた新たな心情を生み、そうして
真っ白で何も描かれていない無表情な画面の中にもうひとつの自分の表情として
の作品にその表情を作り上げていきます。
そこには時として自分では意識しては創造しえない表情が色や形で現れてきま
す。少なからずそこに新たな表現の可能性を見出すことと、また少なからず自分
(作品)を自分で客観視できるようにと思っています。客観視することは自分の
中にある一定方向の決めつけや思い込みを取り払い、時に様々な視点で自由気ま
まに新たな気持で前に進んで行けるようなそんな気がします。作品づくりにおい
て、そのような自然な流れで表現することに、その理想に少しでも近づくことが
できればと思います。
とは言え、やはり頭の中では様々な先入観や雑念など余計な意識が働いて、自分
自身でさえ描かれたモノ(表現)に対してその全てを受け入れる事が難しくも感
じます。
これまでの活動の中でも常に意識したことではありますが、興味を引くモノ思い
つくままに感じて気持をぶつけて表現していた子供の頃を振り返ってみて、何か
を作ろう(表現しよう)とはしていてもここには今のように先入観や雑念がある
わけでもなく、ただ純粋なだけの本能的な部分で表現していたその頃の気持(感
覚)というのを、現在の自分はどれほど持っているのだろうか?或いは残ってい
るだろうか?もはやそのような事を意識しないでは作品づくりをしていない自分
にとって子供だった頃を羨ましく思います。
では意識しながらも現在の自分が作品の中でそれをどのように表現をしてどれだ
け純粋に作品と向かい合う事ができるのか?作品づくり、及び作品展示の場を通
じて常に自らも傍観者として、作品からその時々の今の自分の気持ち(感覚)を
再認識していくきっかけにしたいと考えます。
結果としてそこに表現したいモノが見えて来る、来ないは別として、そこに表現
したもの全てを良くも悪くも受け入れることが次に繋がる。また作品づくりを続
けていく上での原動力になると考えます。
2004.6 山村祐介
山村 祐介(Yamamura Yusuke)