故意にひずんだ空間を描くことによって、
辻褄の合わない理不尽な心情を表現しようと思いました。
○平面 (絵画)
以前から私の作品は見方によってはフワフワと浮遊しているように見えると思っていました。
ある程度は意識的に描いていましたが、この頃になって映画のアバターや3Dテレビなどの出現により、
3Dを身近によく耳にするようになりました。
私自身としては今更とは思いましたが、今回はより3Dを意識して描いてみました。
作品の正面より少し奥を覗くように視線を合わせてご覧下さい。
作品の一番強い部分がだんだんと浮き上がって見えてきませんか。
3D用のメガネなど使わずに見えないでしょうか。
そんな見方もちょっと試して見て下さい。
○インスタレーション
昨年小さな作品を初めて制作し展示しましたが、もう少し立体的に展開することが出来たらと思い、
続けて作ってみました。
面が集まって立体になる…そんな考え方で、ほとんど立体を作ったことの無い私でも、
平面作品を何枚も積み重ねることによって立体を表現できるのではと思い、作り始めました。
描くことよりも、重ねることでもっと動きを出したいといろいろ考えました。
絵とかけ離れて違うことを表現しようとは思っていませんが、
絵画の延長線の上に立体的なものが出来ればいいと思い制作しました。
でも、立体的にした作品を動かす(回転する)ことによって、
絵画の中では表現しづらい時間の観念を加えることが出来たら、
もう一歩踏み込んだ世界観が表現出来るのではないかと思っています。
まだ始めて間もないことですが、徐々に経験を積んで、
もっと自由に作品を作ってみたいと思っています。
こういうものはなかなか作る機会すらないので、
これからも個展で発表していけたらと思っています。
2010.5. Kio. Matsumoto